ハースF1の再審請求で、改めて注目されたトラックリミット監視の問題点。スチュワードがシステム改善を強く求める
ハースF1チームが、2023年F1第19戦アメリカGP決勝でのトラックリミット違反への裁定について再審査請求の権利の請願を行ったが、スチュワードは、提出した証拠が再審査を行うための条件を満たしていないとして、請願を棄却した。しかし同時にスチュワードは、現在のトラックリミット違反の取り締まり方法には問題があるとも認めた。
ハースの主張は、アメリカGP決勝中に、複数のマシンが何度もトラックリミット違反を犯しながら、ペナルティを受けなかったため、これについて見直しを行うべきであるというものだった。11日8日と9日にヒアリングが行われ、ハースは、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、ランス・ストロール(アストンマーティン)がターン6のエイペックスでコースを外れた疑いを示す車載映像、アルボンのコースオフの疑いを示す後続車の車載映像を証拠として提出した。しかしスチュワードは、再審査を行う条件である、「当該決定の時点で、ハースが入手できなかった、重要かつ関連性のある新しい要素」ではないと結論付け、再審査請求の権利の請願を棄却した。
一方で、スチュワードは、現状ではトラックリミット違反を適切に監視できているとはいえないとして、関係者に対し、解決策を講じるよう、強く求めた。
スチュワードの声明には、次のように記されている。
「この決定の正式結果にかかわらず、スチュワードは、ターン6のエイペックスで、潜在的なトラックリミット違反と思われるものを示す個々の証拠を目にした。現在のトラックリミットの基準をすべての競技者に対して適切に施行できないという事実は完全に不満足な状況であると考え、関係者全員に対し、この広範な問題の再発を防ぐための解決策を迅速に導入することを強く推奨する」
「この問題がより優れた技術ソリューリョン、トラックの修正、それらの組み合わせ、あるいは異なるレギュレーションと施行基準によって適切に対処されるかどうかについては、スチュワードは、そのような評価を行うのにより適した立場の人々に委ねる」
「今回の決定のタイミングから、現実問題として、今年中に完全な解決策を実現できないことは明らかだ。しかしながら、今シーズン、重大なトラックリミット問題が発生したサーキットの数を考慮し、FIAとサーキットがすでに大きな進歩を成し遂げていることを認め、2024年シーズン開始前にさらなる解決策が見出されるべきであると考える」
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです