レッドブル代表、ポーパシング対策でのルール変更に反対「まともな仕事をしてきたのに」
2022年のF1は、多くのチームが苦しんでいる”ポーパシング現象”が話題の中心となっている。この現象はドライバーの身体面にも悪影響を及ぼす可能性があるため、レギュレーションを変更することで対処する可能性も取り沙汰されている。
これについてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、まともに仕事をしてきたチームにペナルティを課す可能性があるとして、不公平だと考えているようだ。
2022年のF1マシンは、床下でダウンフォースの大部分を発生させるいわゆる”グラウンド・エフェクトカー”になったことにより、多くのチームがマシンが激しく上下動するポーパシングに悩まされている。
この問題は先日行なわれたアゼルバイジャンGPでより顕著であり、特にメインストレートで激しい上下動を見せるマシンが多くいた。
中でも苦しんだのがメルセデス勢で、ドライバーのジョージ・ラッセルは「大きな事故に繋がるのは時間の問題だ」と指摘。チームメイトのルイス・ハミルトンも、レース中に背中の激しい痛みを訴え、フィニッシュ後にはマシンから降りるのにも苦労していた。さらにアルファタウリのピエール・ガスリーも、FIAはドライバーたちが「30歳で杖を必要とする身体になってしまうのを防ぐ」ための解決策を見出す必要があると指摘した。
一方でレッドブルは、この問題に正しく対処。ほとんどポーパシングが発生しないマシンを走らせている。この結果、アゼルバイジャンGPでは1-2フィニッシュを達成。ドライバーズランキングでもコンストラクターズランキングでも、ライバルに大きな差をつけて首位に立っている。
ポーパシングに対処するため、レギュレーションを調整するべきだという声も上がる中、レッドブルのホーナー代表はこれに反対。チームは「必要に応じて、いつでも厚いプランクを車体の底に取り付けることができる」と指摘し、さらに「対処として最も簡単なのは、マシンの車高を上げることだ」と主張した。
「マシンを走らせる”場所”は、選ぶことができる。そうだろう?」
ホーナー代表はそう語った。
「安全ではないマシンを走らせるべきではない。それは、技術者にとっては最も重要なことだと思う。何台かのマシンには問題があるからね。そして、問題がほとんどないマシンもある」
「まともな仕事をした人と、おそらく僅かに目標を達成できなかった人に同じペナルティを課すのは、不公平だと思えるだろう」
ホーナー代表はそう主張した上で、FIAがレギュレーションを変更することで介入するのは、「グリッド全体に真の安全上の懸念」がある場合のみにするべきだと釘を刺した。
「特定の人々やチームにのみ影響を及ぼしているのであれば、それはそのチームが自分達で対処すべきものだ」
そうホーナー代表は語った。
アゼルバイジャンGPの週末には、昨年の段階でマシンの最低地上高を引き上げるという案が挙がっていたことが明らかになった。しかし、複数のチームがこれを拒否したため、現在の状況に至っている。
しかし安全性の懸念が高まったことにより、この最低地上高引き上げ案が、再び脚光を浴びることになった。
もしレッドブルがポーパシングに悩まされていたのなら、ドライバーにどんな指示をするのか? そう尋ねられたホーナー代表は「彼らにできる限り、無線で文句を言うようにと指示するだろう」と語った。
「ポーパシングに対する救済策はある。しかしそれは、マシンの性能を損なうことになる」
そうホーナー代表は説明する。
「だから最も簡単なのは、とにかく文句を言うことだ。各チームにはそういう選択もある」
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