トップから転落7位のリンス、タイヤのグリップ激落ちが原因? 「普通じゃなかった」
シルバーストンで行なわれたMotoGP第13戦イギリスGPで、スズキのアレックス・リンスは7位でフィニッシュ。上位を争いつつも後続に飲み込まれた理由は、タイヤのグリップ低下にあったという。
リンスは、2019年にここシルバーストンでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)を破って勝利しており、今回もレースでは上位争いを見せた。
レース6周目にリンスは先頭に立つと、一時は1秒近いギャップを築いていたが、そこから差が縮まり始め、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)をはじめとしたライバル達にオーバーテイクを許してズルズルと後退。最終的には表彰台も逃す7位でレースを終えた。
「もうこっぴどく打ちのめされたよ。最大限の力を発揮していたから、身体的な面じゃなくて(精神面で)ね」
レース後、リンスはそう語った。
「トップでレースを進めていたとき、とてもスムーズなライディングをしていて、スロットルのコントロールも、リヤのスライドもすごくスムーズに操作していたんだ」
「でもレースのある時点で、リヤのトラクションをキープするのがすごく難しくなった」
「なぜかは分からないけど、(リヤタイヤが)かなりスピンしてしまっていた。ミシュランの人たちとデータのチェックが必要だろう。2分台のラップであんなに苦労するのは普通じゃないからね」
「最後の6周は2分1秒台で走っていた。でもともかく、7位で多少ポイントを獲得できた。次のレースを楽しみにしている」
一方でチームメイトのジョアン・ミルは、8番手を走行中の15周目にストウ・コーナーでクラッシュし、レースを終えた。
彼は、レース中に集団に埋もれていたことでフロントタイヤがオーバーヒートを引き起こし、転倒につながったと語っている。
「気温がここ数日よりも高かったし、集団の後ろで何周も走っていたことで、想定よりもフロントがオーバーヒートしてしまったのかもしれない」
ミルはそう語る。
「クラッシュは、この問題のせいだったと思う」
「でもなんとか対処して、フレッシュな空気を取り込もうとしていたんだ。でも集団内にいるとそれも難しかった」
「バイクのフィーリングは良かったんだけど、いくつか劣っている部分があったと思う」
「ターン16からメインストレートなどの右コーナーでは、0.3〜4秒はロスしていたと思うから少しグリップを改善しなくてはならない」
「つまり、このバイクにはグリップの部分でまだ良くできる余地があるということだ」
「今回のレースではトップ集団のライダーの後ろを走って、たくさんのことを発見できた」
「だから今週末はそれが重要な点だった。クラッシュでレースを終えたくはなかったけど、最大限の力は出したよ」
「フィーリングは良かったから何周かでもう少し前に行けたと思う。でも、それは叶わなかった」
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