セパン・インターナショナル・サーキットでMotoGP第19戦マレーシアGPの予選が行なわれた。ポールポジションを獲得したのは、プラマックのホルヘ・マルティン。2戦連続のPPだ。
　3年ぶりの開催となったマレーシアGPの予選は、決勝結果次第でタイトル争いが決着する可能性があるため、これまで以上に重要なセッションとなっている。
　しかし現在タイトル争いをリードするフランチェスコ・バニャイヤ（ドゥカティ）は、FP3までの総合タイムでトップ10入りを逃してしまい、まさかのQ1スタートが決定。ライバルのファビオ・クアルタラロ（ヤマハ）とアレイシ・エスパルガロ（アプリリア）がQ2直接進出を果たしているだけに、Q2進出はマストの状況だった。
　ただクアルタラロも予選前のFP4で転倒した際に、若干左手指を痛めてしまうなど、こちらはこちらで不安を抱えての予選となった。
　予選開始時には上空から暗い雲が徐々に迫っていたが、コンディション自体は雨も降っておらず、ドライで開始された。
　Q1が開始されると、バニャイヤが先頭でコースイン。そこにマルク・マルケス（レプソル・ホンダ）らを筆頭に他のライダーが数珠つなぎとなって走行が始まった。
　バニャイヤは最初のアタックで1分58秒895をマークし、余裕の暫定トップタイムをマーク。2番手にはチームメイトのジャック・ミラーが1分59秒台で続いた。
　バニャイヤは連続アタックで更に自己ベストを更新する速さを見せ、1分58秒645を記録。レコードタイムまで約0.3秒に迫るタイムで、ライバルを寄せ付けずQ2進出に向けて不安なしといった状態を作り上げた。
　バニャイヤはピットで体力温存も考えられたが、少し遅れてQ1後半もコースへ出ていった。ただ1周走ったあと、チームはバニャイヤを呼び戻すメッセージを送るなど、本格的なアタックは行なわなかった。
　残り1分半、アレックス・マルケス（LCRホンダ）が転倒。またセッション残り時間がゼロに、というタイミングでミラーがターン2でハイサイドを起こしてクラッシュしてしまった。体を打ち付けてしまったが、彼は自力で歩いてコースを後にした。
　結局、予選Q1のトップタイムはバニャイヤ。そして2番手には、最後にアタックをまとめ上げたマルク・マルケスが滑り込み、このふたりがQ2へ駒を進めた。
　いよいよポールポジションを争うQ2が開始されると、Q1を突破してきたバニャイヤはここでも先陣を切ってアタックを開始。積極的な姿勢でQ2をスタートさせた。
　バニャイヤの1周目は小手調べといった具合だったが、後方ではホルヘ・マルティンがいきなり1分58秒021と、レコードタイムを約0.3秒更新する驚異的な速さを発揮。これが暫定トップタイムとなった。
　バニャイヤも1分58秒台にタイムを入れて来るが、ドゥカティのサテライト勢に阻まれ6番手止まりに。ただエスパルガロも8番手、クアルタラロも11番手であり、ライバルは上回った形だ。
　残り3分、より上位のポジションを目指してアタックに入っていたバニャイヤが、ターン4で転倒。怪我は無いようだったが、残り時間の関係で彼の予選はここで終了となった。
　コース上ではマルク・マルケスがアタックをまとめて、1分58秒454をマーク。3番手に浮上しフロントロウを狙える位置についた。
　最後のアタックではレコードタイムを更新済みのマルティンが、更に自己ベストを更新。1分57秒790をマークし、文句なしの速さでポールポジションを獲得した。2番手はバスティアニーニ、3番手はマルケスだ。
　注目のタイトルを争うライダーの予選結果だが、ランキング首位のバニャイヤは転倒が響いて最後にタイムを改善できず9番手となった。ただ、アレイシ・エスパルガロも最後のアタック中に転倒した結果10番手に留まり、FP4での転倒の影響が心配されたクアルタラロも精彩を欠き12番手と後方に。バニャイヤとしては、不幸中の幸いといった結果となった。
 
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