2月23日、バーレーン・インターナショナル・サーキットでF1の2023年シーズンのプレシーズンテストが始まった。2月上旬から行われた新車発表では、いくつかのチームがカラーリングを発表するのみにとどまっていたが、このテストでようやく全チームの実車が出揃った。今回はアルファロメオの新車『C43』を特集する。

────────────────────────────────

　2月10、11日にシェイクダウンをスペイン・カタロニア・サーキットで行って、万全の体制でバーレーンに乗り込んできたアルファロメオ。

　フロントウイングは昨年とほぼ同様だが、テクニカルディレクターを務めるヤン・モンショーによれば、「この仕様は昨年の日本GPのもので、決して古いものではないが、2023年にさらに進化させることは間違い」という。

　アルファロメオのサイドポンツーンは昨年は上面にルーバーを備えていた。これはバスタブ型のサイドポンツーンを採用しているチームに共通していた。それが今年はルーバーを上面から排除し、レッドブルをはじめ多くのチームが採用しているダウンウォッシュ型サイドポンツーンに変更してきた。

　サイドポンツーン上面から姿を消したルーバーは、エンジンカウル両側に設けられた排熱用のアウトレットへと移動。さらにエンジンカウルの背の部分にも小さなルーバーを設けている。

　エンジンカウル両側に設けられたルーバーの位置だけでなく、その数がバーレーンではレッドブルと同様、7つだったのが興味深い。またリヤサスペンションはプルロッド方式だが、絞り込みはマクラーレンよりも大きい。空力的には悪くないが、フェラーリのパワーユニットは昨年のメキシコGPでクーリングに悩まされていただけに、フェラーリの2023年のクーリングシステムがどこまで改善してきたのかが気になる。

　インダクションポッドは昨年の周冠宇のクラッシュを受けて、2023年にレギュレーションが改訂され、デザイン変更を余儀なくされた。しかし、その決定が2023年の設計開始後だったため、アルファロメオは完全には対応できず、ブレード型を維持しつつ、フープのデザインをレギュレーション通り丸みを帯びたものに変更してきた。

　リヤウイングとリアのクラッシャブルストラクチャーを接続するビームウイングは左右2対あるように見えるが、上段側はクラッシャブルストラクチャーにマウントされておらず、エキゾーストの下で左右が繋がった1枚構造となっている。

　昨年シーズン序盤はサーキットによってはメルセデスを上回るペースを披露していたアルファロメオ。サイドポンツーンのコンセプト変更がどんな結果をもたらすのか注目したい。