ストロール、事故からF1開幕戦までを振り返る。両手首に加えて足の指も骨折、タイミングの悪さにレース欠場を覚悟
アストンマーティンのランス・ストロールは、医師の予後に反して自転車事故からわずか12日後の先週、2023年シーズンのF1開幕戦バーレーンGPに出場した。しかし、事故後の数時間は彼の前で全世界が「崩れ落ちてしまった」と感じたという。
ストロールはスペインでトレーニング中だった2月18日に、自転車から真っ逆さまに転落した。その2日後にアストンマーティンは、ストロールがプレシーズンテストに参加しないことを発表したため、彼の2023年の開幕戦出場が危ぶまれた。
ストロールは、右手首の骨折と脱臼、左手首の骨折、左手の部分骨折、そして右足の親指の骨折を負った。彼はトレーニングを行っていたマラガからすぐにバルセロナに飛び、著名なMotoGPの外科医であるザビエル・ミル医師の助けを求めたが、F1のシーズン開幕戦に間に合うように回復できる望みはほとんどなかった。
「自転車から落ちて強く打ちつけられた」とストロールはポッドキャスト『F1 Nation』に語った。
「両手首が折れたことがすぐにわかった。足の怪我に気づいたのはその日の終わりのことだった。手首ばかりを気にしていたからね」
「目の前で自分の世界が崩れ落ちていくようだった。おそらくいくつかのレースを欠場しなければならないだろうと思ったからだ。そんな考えが頭のなかを駆け巡っていたし、テストの4日前というタイミングの悪さもあった」
ストロールの事故から48時間後、ミル医師と彼のチームは、回復を早めるためにストロールの右手首にプレートとネジを挿入した。
「彼は僕の右手首にその手術をして、左手首にはギプスをはめた」
「彼はこう言った。『左手首を2週間から4週間固定するつもりだ。だが右手首についてはどれくらいの時間がかかるかわからない……バーレーンで少し動かし始めることができるよう期待している。ドライブできるようになるかもしれないが、つま先は時間がかかるだろう』とね」
リハビリと回復のプロセスを開始したストロールだったが、バーレーンGPのグリッドに並べる可能性はまだ低いと思われた。しかしストロールの怪我は予想以上に早く治癒し、先週ミル医師から許可が下りた。そしてストロールはシルバーストンで重要なシミュレーターテストを行い、コース復帰への道は開かれた。
「すぐにマシンに乗れるようになるとは思っていなかった。動かすことができなかったんだ。ドライブできる状態からはほど遠かった。整骨医のヘンリーと1日10時間のリハビリをしていただけだった」
「先週の月曜日か火曜日頃、突然少し動かせるように感じ始めたんだ。水曜日にはシミュレーター作業をしたけれど、痛みはとてもひどかった。でも『金曜日のFP1に到着する頃には、ドライブできるようになるかもしれない』と思った」
「(医師からは)両手首はレースができるほど回復していると言われた。それなら大丈夫だ、怪我はしたけれど、ただやってみようと思った」
「金曜日にはなんとかマシンに乗ることができた。とにかく素晴らしい人生経験だったよ。ディナーの場で最高の話題になるね……」
火曜日、ストロールはソーシャルメディアで事の顛末を明らかにし、復帰を助けてくれた人々への感謝の気持ちを表した。
「リハビリには大変な努力と粘り強さが必要だった。でも素晴らしいメディカルチームと、友人、家族が僕をサポートしてくれたので、痛みを乗り越えてチームと仲間のドライバーたちとともにバーレーンのコースに戻ることができた。それに僕たちは好結果を出したんだ!!! 僕を支えてくれ、心のこもったお見舞いのメッセージをくれた皆に感謝している!」
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