メルセデスがマクラーレンに完敗。ハミルトン「彼らは速すぎて、ついていけなかった」/F1第11戦決勝

 

 2023年F1イギリスGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは3位、ジョージ・ラッセルは5位を獲得した。

 ハミルトンは7番グリッドからスタートでポジションを落としたが、7周目に元のポジションに復帰。ミディアムタイヤで長いスティントを走り、他車のピットストップにより30周目には3番手に浮上した。その数周後、バーチャルセーフティカー/セーフティカーが出動したタイミングで、ハミルトンはトップのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2番手のランド・ノリス(マクラーレン)とともに、タイヤ交換を済ませることができた。マシン同士のギャップがなくなった状態でレースがリスタートとなり、ソフトタイヤを履いたハミルトンは、ハードタイヤのノリスに果敢に挑むが、抜くことができず、3番手を守ってフィニッシュした。

2023年F1第11戦イギリスGP ランド・ノリス(マクラーレン)とルイス・ハミルトン(メルセデス)
2023年F1第11戦イギリスGP ランド・ノリス(マクラーレン)とルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ラッセルは、ハミルトンとは異なりソフトタイヤスタートの戦略を採り、スタートでカルロス・サインツ(フェラーリ)をかわして、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に迫るが、僅差で走りながら、抜くことができないまま、ルクレールが先にピットストップ。ラッセルは28周目にピットインし、ルクレールの後ろでコースに復帰した後、新しいタイヤでオーバーテイクを成功させた。しかしその後、バーチャルセーフティカー/セーフティカーが導入され、その時点で上位を走っていた数台がポジションを落とすことなくタイヤ交換を済ませることができたため、ラッセルは5番手となり、似た状況のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を追うことになったが、ラッセルは挑むことができないまま、レースを終えた。

■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=3位(52周/52周)
7番グリッド/タイヤ:ミディアム→ソフト

2023年F1第11戦イギリスGP マクラーレンMCL60をチェックするルイス・ハミルトン(メルセデス)
2023年F1第11戦イギリスGP マクラーレンMCL60をチェックするルイス・ハミルトン(メルセデス)

 セーフティカーが僕たちにとってすごく良いタイミングで出た。そういう状況を想定してミディアムタイヤでスタートしたんだ。長いスティントを走ることを目指し、狙いどおりにやれた。有利なタイミングでセーフティカーが出たために、ポジションを稼ぐことができた。

 僕たちにとって表彰台はとても大きな意味のある結果だ。今年は浮き沈みの激しいシーズンで、マシンに関してやらなければならない仕事はまだたっぷりある。それでも強みもあって、特にロングランが優れている。ジョージはソフトタイヤで素晴らしいスティントを走った。僕もミディアムでとてもいい走りをしたと思う。

 リヤエンドを改善することができれば、うまくいくようになるだろう。良い部分を維持しつつ、他のものを追加していく必要がある。

 ファンからの応援が信じられないほど素晴らしかった。毎回、毎年、勢いを増しているんだ。これ以上はないというほどなのに、どうしてこういうことが可能なのか、分からないよ。皆がもたらしてくれるエネルギーは驚異的なレベルだ。またしても、シルバーストンが素晴らしいショーを実現してくれた。

(レース後の会見で、7番手から3位を獲得したことについて語り)それをやってのけたのは、僕ではなくて観客の皆だ。シルバーストンの観客は最高だよ。応援してくれた皆に、心からお礼を言いたい。皆からのエネルギーとサポートを感じた。それがあったから、ポジションを上げていくことができた。

(マクラーレンとのバトルについて語り)高速コーナーでの彼らの速さはすごかった。ついていけなかったよ。ターン15を抜けると彼(ノリス)は遠ざかっていく。僕たちは低速でのパフォーマンスが優れているけれど、ストレートでの力強さが足りなかった。

 ランドとマクラーレンにおめでとうと言いたい。マクラーレンは僕のファミリーだ。F1キャリアをスタートしたチームだからね。彼らが復活し、強くなったのを見ることができてうれしい。

2023年F1第11戦イギリスGP 2位ランド・ノリス(マクラーレン)と3位ルイス・ハミルトン(メルセデス)

■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=5位(52周/52周)
6番グリッド/タイヤ:ソフト→ミディアム

 今日はアグレッシブに行きたかったので、戦略を2台で分けたんだ。ファーストスティントでのソフトタイヤの感触は力強かった。でも残念ながらルクレールをオーバーテイクするのはとても大変だった。何度か、ディフェンスに疑問を感じる動きがあった。でも最終的には抜くことができた。

 ミディアムタイヤに交換した後、不運なタイミングでセーフティカーが出た。セーフティカーは自分に有利に働くこともあれば、不利に働くこともあるから、仕方ない。

 でも最終的にひとつしかポジションを落とさずに済んだ。あれがなくても表彰台には届かなかっただろう。僕のレースが大きく変わったわけではないし、チームにとってポジティブな要素があった。コンストラクターズ選手権で大量にポイントを稼ぐことができたのはよかったよ。

2023年F1第11戦イギリスGP ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトン(メルセデス)
2023年F1第11戦イギリスGP ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトン(メルセデス)

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