【角田裕毅F1第14戦分析】角田に下されたアタック妨害の厳しい審議。妨害はレースエンジニアのミスか

 

 F1第14戦オランダGPの予選後、レーススチュワード(審議委員会)は、Q2の最後のアタックで 角田裕毅がルイス・ハミルトン(メルセデス)のアタックを妨害したとして、3番手降格のペナルティを科した。

 レーススチュワードの見解は、以下のとおりだ。

 スチュワードは、22号車のドライバー(角田裕毅)と44号車のドライバー(ルイス・ハミルトン)、そして双方のチームからの代表者から状況を聞き、2人のドライバーのマーシャリングシステムによるポジショニングと、走行データ、国際映像、そして2台の車載映像を確認した。

 その結果、角田は自らのアタックラップの準備のためにターン13の出口でドライのレーシングライン上にいた。そのため、後方から接近してきたハミルトンのアタックラップを妨害していたことがわかった。

 その事実に対して、角田は「他のマシンに抜かれたため、再びギャップを築くために、スローペースを維持していただけだ」と説明した。

 しかし、スチュワードの見解では、角田には明らかにラインから外れる能力があった。したがって、このような妨害は不要であったと判断した。

 この決定を聞いて、筆者は正直、驚いた。というのも、Q2の最後のアタックが終わった後、角田のほうが「ハミルトンにアタックを妨害された」と無線で不満を述べていたからだ。

 予選後にミックスゾーンにやってきた角田に、そのことを問うと、角田もそのことを認めていた。そこで、もう一度、最後のアタックラップに入る前の角田の車載カメラの映像と無線を確認した。

▼ターン3通過中
マティア・スピニ「左フロントタイヤをウエット路面で冷やすように」

▼ターン4通過中
マティア・スピニ「後ろにドライバーでアタックしているのは現時点でストロールだけで、彼は7秒後方にいる」

▼ターン6通過中
マティア・スピニ「ストロール、4秒後方」

▼ターン7通過中
マティア・スピニ「ストロール、2秒後方」

▼ターン8通過中
マティア・スピニ「ストロール、1秒後方。その後はペレスが8秒後方だ」

▼ストロールが角田を抜く

▼ターン9通過中
マティア・スピニ「ペレス、5秒後方」

▼ターン10通過中
マティア・スピニ「このポジションをキープしろ。その後は、集団がやってくるから」

▼ターン10通過後の短いストレート走行中
マティア・スピニ「ペレス、2秒後方」

▼ペレスが角田を抜く

▼ここで無線が聞き取りにくくなる

▼ターン11に差し掛かるところで、前方にいるアルボンに接近する

▼ターン12を立ち上がったところで、ヒュルケンベルグが角田を左側から抜く

▼ターン13に向かうところ
マティア・スピニ「ハミルトンはまだ6秒後方だから、前とのギャップを広げていい」

▼ターン13通過中
マティア・スピニ「ハミルトン、3.5秒後方、2.5秒後方」

▼ターン13立ち上がりでハミルトンが角田を右側から抜く

▼ターン14に向かうところ
マティア・スピニ「よし、アタック開始だ」

 つまり、角田にはエンジニアから「ハミルトンが近づいているから気をつけろ」という指示はなく、むしろアルボンとのギャップを保つように無線が飛んでいた。

アルファタウリのピットウォールスタンド
アルファタウリのピットウォールスタンド

 確かにハミルトンが接近してきたとき、スチュワードが指摘したように角田はドライになった走行ラインにいたが、それはこれからアタックを開始するためだった。

 これらの無線から考えるに、ハミルトンへの妨害は故意とは言えず、レースエンジニアの判断ミスに近い。本来であれば、ターン13に向かう前にハミルトンを前に出すために、ターン12を立ち上がったときに、もう少しスローダウンさせる指示を出すべきだったが、アタックに入ろうとしていたヒュルケンベルグに先に行かれて、アルボンに続いてアタックに入るという戦略が狂ったことで、少し動揺していたのかもしれない。

 妨害したことは事実だが、3番手降格は少し厳しい裁定のような気がする。

F1&雑談
小説
開発
静岡

小説やプログラムの宣伝
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです