【F1イタリアGP予選の要点】“学習能力の高さ”を発揮。初日に指摘されたタイムロスを取り返した新人ローソン
リアム・ローソン(アルファタウリ)がF1デビュー2戦目にして、新人らしからぬ速さを見せた。
先週のオランダGPでダニエル・リカルドが左手骨折の重傷を負い、代役に抜擢されたローソン。ウェット路面の2日目FP3からのいきなりの走行となり、インターミディエイトタイヤでの予選はさすがに最下位に終わった。しかし断続的に雨の降る決勝レースでは、ペナルティで順位を落とした角田裕毅をしのぐ13位完走を果たした。
そして2戦目となる今週末のイタリアGPの予選では、角田に0.167秒差まで迫るタイムで初のQ2進出。12番グリッドを獲得した。
ローソンの一番の強みは、「学習能力の高さ」であろう。その資質が垣間見えたのが、初日フリー走行での担当エンジニアとの無線のやりとりだった。FP1でのローソンは、9番手角田にコンマ5秒以上の大差をつけられての13番手。3つの区間タイムすべてで、角田より遅かった。
担当エンジニアのピエール・アムランは、「特にターン1とターン8のタイムロスが大きい」と、ローソンに告げていた。ターン1は最終コーナーから全開で立ち上がって時速300km超の最高速からのフルブレーキング地点。そしてターン8も同じく裏ストレートからのフルブレーキングで、ここを失敗するとアスカリ高速シケインで挙動を乱し、大きくタイムロスしてしまう。初日のローソンはこのふたつのコーナーで、角田にコンマ1〜2秒引き離されていた。
それが2日目のフリー走行では、ターン1を含むセクター1は同タイム、アスカリシケインからのセクター3も0.054秒差まで詰め、角田を1000分の1秒凌いで12番手につけた。
そして予選Q2では、セクター1、3はいずれも角田を凌ぐ区間タイムを叩き出した。しかしセクター2でコンマ2秒及ばず。これはすぐ前を走っていたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がコースオフし、コース上にグラベルが散乱したことによるタイムロスと思われる。
これがなかったら、コンマ17秒差の10番手ランド・ノリス(マクラーレン)を抜いてQ3に進めていたかどうか。そこは正直微妙なところだ。区間タイムのまとめ方にしても、まだ角田に劣っている。とはいえ新人ローソンが、確かな進化を示し続けていることは間違いない。
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