【角田裕毅F1第15戦分析】異音、振動、パワーロスが発生しチームの母国レースを走れず。エンジンはこれから詳細な分析へ
今年のF1は5月に予定されていた第6戦エミリア・ロマーニャGPが雨のせいで中止となったため、イタリア・ファエンツァに本拠地があるアルファタウリにとって、今回の第15戦イタリアGPは待ちに待ったホームレースとなった。
そのホームレースに、アルファタウリのスタッフはイタリアのナショナルカラーである鮮やかなブルーを思わせる『アズーロ』を基調したおそろいのキャップをかぶって臨んでいた。
チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズは、日曜日の決勝レースを分析していた。
「モンツァは典型的な1ストップレース。どのドライバーも硬めのコンパウンドを選択するため、タイヤストラテジーも似通ってくる。そうなると、後方からスタートするドライバーが上位と異なるピットストップ作戦を採りづらくなる」
ただし、11番手からスタートする角田にチャンスがないわけではない。
「そこで重要となるのが、ピットストップ前後の走りだ。おそらく多くのドライバーがミディアムタイヤでスタートし、ハードタイヤに履き替える作戦を敷くだろう。ところが、ハードタイヤは温まりにくいという特性があるため、タイヤ交換したピットアウト後の数周はペースが上がらないことが予想される。そうなると、アンダーカットがしづらい。逆に相手がピットインした後もコースにとどまったほうが、オーバーカットしやすい」
角田裕毅(アルファタウリ)も「ミディアムタイヤでスタートした後、できるだけピットストップを遅らせる作戦を敷いていた」と言う。
ところが、角田はポイント獲得の期待がかかる11番手からフォーメーションラップのスタートを切ったが、グリッドに戻ってくる前、バックストレートでエンジントラブルに見舞われ、コース傍にマシンを止めてスタートする前にイタリアGPを終えた。
「最初にギヤボックスかエンジンかわからないんですけど、後ろの方から変な音がして、その後振動もしてきて、アクセルを踏んでも、パワーを失って、明らかに変な状態になったので自分の判断でクルマを止めました」(角田)
ホンダ・レーシングの折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)によれば、「データを見る限り、エンジンが壊れてしまったようです。詳細な分析はこれから戻ってきたクルマを見て、それからHRC Sakuraに戻して確認しないとわかりません」と言う。
「ミディアムタイヤでいいペースで走ることができたと思うので残念です」と語る角田。折原GMも「その可能性は大きかっただけに、(角田選手には)非常に申し訳ないことをしました」と謝罪するしかなかった。
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