またもやF1で高級時計リシャール・ミルの強盗事件。被害に遭ったサインツ、犯人を捕らえる

 

 F1イタリアGPでスリリングなバトルの末に表彰台をつかんだカルロス・サインツは、その日のうちに、再びアドレナリンが身体を駆け巡るような出来事を経験した。ただし、それは強盗被害に遭うという、恐ろしい事件だった。

 モンツァで素晴らしい走りを見せ、栄光を味わってからわずか数時間後、日曜日の夕方に、サインツは宿泊していたミラノのホテル前で、高級腕時計リシャール・ミルを奪われた。

 ミラノのマンゾーニ通りにあるアルマーニ・ホテルにサインツが到着した時、ホテルの前で3人の強盗が待ちかまえていたという。騒動の末に3人の強盗はサインツが身に着けていたリシャール・ミルを奪って逃走した。この時計は、ドイツ出身のプロテニスプレイヤーであるアレクサンダー・ズベレフの名を冠したオフィシャルモデルで、推定で27万5000ユーロ(約4350万円)の価値があるとされている。

2023年F1第15戦イタリアGP チームからバースデーケーキをプレゼントされたカルロス・サインツ(フェラーリ)
2023年F1第15戦イタリアGP リシャール・ミルを身に着けたカルロス・サインツ(フェラーリ)

 サインツは自分のフェラーリでパーソナルトレーナーと共に略奪者を追跡し、最後は走って追いかけた後に、強盗犯のひとりを捕まえることができた。2人目の犯人はスピーガ通りにいるところをサインツのマネージャーに見つかり、3人目はそのすぐ後に自首した。

 3人とも、現場にすぐに到着したミラノ警察により拘束され、サインツの貴重な腕時計も戻ってきた。

 月曜日、サインツはSNS上で今回の事件の顛末を報告し、関係者への感謝の気持ちを示した。

「みんなも知っての通り、昨日、ミラノで不運な事件に遭遇した。一番大事なことは、僕たちは全員無事だということだ。あまりうれしくはない、ちょっとしたエピソード程度の価値しかない出来事だ」と彼は書いている。

「昨日僕たちを助けてくれたすべての人、すぐに事態を収拾してくれたミラノ警察、そしてたくさんのメッセージを送ってくれた人たち全員に感謝したい」

 リシャール・ミルは高級腕時計の世界で究極のステータスシンボルとなっており、時計愛好家やセレブリティがこぞってこの腕時計を欲しがっている。

2023年F1第15戦イタリアGP カルロス・サインツ(フェラーリ)
2023年F1第15戦イタリアGP フェラーリSF-23に入ったリシャール・ミルのロゴ

 F1ではスポンサーを務め、商業的プレゼンスをしっかりと確保しており、フェラーリやマクラーレンのドライバーの手首にはリシャール・ミルがはめられている。

 一方で、ラグジュアリー製品として入手が困難であること、また圧倒的な価値を持つことから、何度か事件が起きている。

 昨年エミリア・ロマーニャGP前に、サインツのチームメイトであるシャルル・ルクレールもリシャール・ミルの盗難事件に遭った。イタリア・ビアレッジョでファンに取り囲まれ、サインと写真撮影に応じていた時に、ルクレールは32万ドル(約4100万円)のリシャール・ミルのカスタムウォッチを奪われた。

 2021年7月にはマクラーレンのランド・ノリスが被害に遭った。ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたサッカーのEURO 2020決勝を観戦しに行き、試合後に暴動が起こるなか、駐めておいた車まで帰る途中に、身に着けていたリシャール・ミルを盗まれてしまった。

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