シューマッハーはプレッシャーに苦しんでいるのか。ハースF1代表はクラッシュに痺れを切らすも「どう前進するか考える」

 

 ミック・シューマッハー(ハース)のF1キャリアは幾度もの浮き沈みがあり、波乱万丈だ。目下のところ、それは下降線を辿っている。シューマッハーはF1第7戦モナコGPで大クラッシュを喫し、彼のマシンは真っ二つになった。

 モナコGPの決勝レースの24周目に起きたクラッシュは、彼のマシンがやはり真っ二つになった第2戦サウジアラビアGPの予選でのクラッシュから、わずか2カ月後のことだった。両方のクラッシュはドライバーのエラーが原因であり、シューマッハーはあまりにも無理をし過ぎているように見える。

ミック・シューマッハー(ハース)
2022年F1第7戦モナコGP プールサイドシケインでクラッシュしたミック・シューマッハー(ハース)

 シューマッハーは昨年ニキータ・マゼピンとチームメイトになり、比較的楽なF1初シーズンを過ごした。マゼピンがハースのガレージの反対側にいることで、シューマッハーはクールで落ち着いており、自信があるように見えた。

 しかしケビン・マグヌッセンがマゼピンの後任になると、シューマッハーは突然新たな課題に直面した。つまりマグヌッセンの方が経験豊富だということだ。だが、マグヌッセンがスポーツカーレースに出ている間、シューマッハーはこれまでハースにいたのだ。それでもマグヌッセンはたちまちシューマッハーを追い越した。それもかなりの差でだ。

 通常の状況では、マグヌッセンは予選でシューマッハーより0.4秒から0.5秒速い。そしてマグヌッセンは15ポイントを獲得してきたが、対するシューマッハーは0ポイントだ。

 パドックにいる人々の大多数は、シューマッハーがマグヌッセンからのプレッシャーに押しつぶされていると考えており、ハースF1チームの代表を務めるギュンター・シュタイナーはしびれを切らしている。通常シュタイナーは彼のドライバ―たちを深く信頼しているが、モナコGPの後で彼は次のように述べた。

「我々はミックに何が起きたのかはっきりと目撃した。再度大クラッシュを喫するというのは、とても満足できることではない。ここからどうやって前進するのか考える必要がある」

ギュンター・シュタイナー代表(ハース)
2022年F1第7戦モナコGP ギュンター・シュタイナー代表(ハース)

 これらの言葉はシューマッハーへのプレッシャーを増大させるだけだろう。それとも彼らはハースF1チームのドライバー交代を暗示しているのだろうか?

 次のレースはアゼルバイジャンGPだ。またもストリートサーキットであり、モナコよりはるかに高速だ。シューマッハーはフェラーリのジュニアドライバーであることから、「もし」仮にハースがシューマッハーを交代させると決めれば、フェラーリは彼の後任に他の傘下ドライバ―の起用を主張するだろう。

 シュタイナーはモナコGPの後、フェラーリのリザーブドライバ―であるアントニオ・ジョビナッツィと会話しているところを目撃されている。ジョビナッツィはF1で3年間の経験があり、以前ハースのテストを行ったことがある。

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