FIA、ポーパシング軽減のための新規定をF1フランスGPから導入へ
FIAは、F1におけるポーパシング(マシンの激しい縦揺れ)の問題を軽減するための新たな規定の導入を、第12戦フランスGPに行うと発表した。ポーパシングはドライバーの健康や安全性に影響する深刻な問題であると考えたFIAは、第9戦カナダGPを前に、チームに対して技術指令書を発行した。その後、データを収集し、各車を監視するための基準値を導き出したFIAは、これをイギリスGP前にチームに伝え、フランスまでの間に対応するよう求めた。
FIAは、垂直加速度における基準値を確立し、マシンの垂直方向の動きを制限、各チームは規定の範囲内に収めるため、必要であれば車高を上げなければならない。
FIAはイギリスGPを前にした木曜、次のような声明を発表した。
「FIAの垂直振動データの分析が終了し、我々はこれを監視するための指標を定義した。技術指令がフランスGPから適用される際に、チームが次の2グランプリを使って、これに従うために、もし必要であれば、どのような変更を導入しなければならないのかについて自身で分析できるよう、彼らに最新情報を送った」
技術指令においてはまた、アンダーボディのプランクの摩耗とチタンスキッドプレートの剛性に関する新たな制限が設定された。これらはポーパシングと関係があり、新たな基準値と密接に関わっていると、FIAは述べている。
2022年に導入された新世代F1マシンでは、グラウンドエフェクトフロアから発生するダウンフォースの影響で、高速走行時にマシンが激しい縦揺れを起こす傾向がある。さらに、ダウンフォースを最大化するために硬いサスペンションセットアップにすることで、スムーズではない路面を走行する際にドライバーの身体に大きな負担がかかる状況も見られている。
FIAがこの問題の解決をチーム自身に委ねるのではなく、介入して規制することについては、ポーパシングに比較的苦労していないチームからは不満の声が出ている。また、技術指令を発表したタイミングがカナダGP前の木曜であり、グランプリ直前であったことにも批判があり、導入のタイミングが延期されていた。
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