悪天候でのレース再開を迅速に! 中断・ディレイ中にF1マシンで偵察する“インフォメーションラップ”案が浮上

 

 シンガポールGP、日本GPのF1アジアラウンドは、2戦続けて悪天候によりレース進行に影響が出た。F1ドライバーたちは、安全が確認され次第すぐに走行を再開するためのより良い解決策があると考えているようだ。
 現在は雨によってレースが中断もしくはスタートディレイしている場合は、セーフティカーがコースインしてコースの偵察を行なう。ただF1ドライバーたちは、セーフティカーから上がる水飛沫の量はF1のそれとは比較にならないため、路面の水量を判断するのに適切ではないと考えている。
 つまり、セーフティカーが周回することで路面コンディションが実際よりも良く見えてしまい、ファンに誤った印象を与えかねないのだ。
 シンガポールと日本での事例を基に、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)のメンバーが協議した結果、“インフォメーションラップ”なるものを導入するという案が浮上した。
 これは雨によってレース再開が遅れている間、F1マシンがセーフティカー先導もしくは単独で数周走ることを認めるという案だ。そしてレースコントロールは走行したドライバーから直接フィードバックを受けることで、安全にレース再開ができるかどうかをより判断しやすくなるという仕組みだ。
 GPDAの理事であるアレクサンダー・ブルツは、インフォメーションラップの導入によってコースコンディションに関するより良い情報が提供できるため、レース再開には危険なのかどうか判断するための非常に重要なツールになると考えている。彼はmotorsport.comの独占インタビューに対して次のように語った。
「レースディレクターは、インフォメーションラップという選択肢を持つべきだ」
「チームがこの手順に同意すれば、彼(レースディレクター)は『10分後にマシンを走らせる』と言うことができる。そのラップでドライバーたちはコンディションを確認することになる」
「そこで我々は、命を懸けて走る20人のドライバーから20の意見を聞き出すことができる。そうしてFIAはより多くの情報を基に判断を下すことができるんだ」
 ブルツはまた、このインフォメーションラップが導入されればコースサイドのオフィシャルにもメリットがあると考えている。
「マーシャルにとっても、次のマーシャルポストが見えるかどうかが分かる」
「次のマーシャルポストが見えなくなるのであれば、そんな霧の中で事故が視認できるはずがないから、走るべきではない」
「インフォメーションラップを通して、マーシャルもコンディションについて教えてくれるだろう。レースディレクターはより良い情報を得られるし、世界中の何百万人もの視聴者が自分の目で状況を確認することができるんだ」
セーフティカーが与える誤った印象

F1マシンが走行している時(上)とセーフティカーが走行している時(下)では水飛沫の量に大きな差が
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