「ポルシェは今もF1参入のために動いている」とFIA会長。レッドブルとのプラン消滅後、他チームと交渉
モハメド・ピン・スライエムFIA会長が、世界モータースポーツ評議会会合において、ポルシェは2026年F1参入を断念せず、F1チームとの話し合いを行っていると発言した。
ポルシェは2026年に向けてレッドブルとパートナーシップを結ぶために協議してきたが、交渉が決裂したことを9月9日に発表した。ポルシェはその際、「(パワーユニット)規則の変更が確定し、このレーシングシリーズはポルシェにとって魅力的な環境であることに変わりはない。今後もその動向を注視していく」ともコメントしていた。
同じフォルクスワーゲングループのアウディは、ベルギーGPの初日8月26日、スパ・フランコルシャンで記者会見を行い、2026年からF1にパワーユニットサプライヤーとして参戦することを正式に発表した。しかしポルシェのF1プロジェクトはこのまま消滅するのではないかと考えられていた。
だがピン・スライエムFIA会長は、10月19日に開催された世界モータースポーツ評議会会合において、ポルシェが新たな可能性を探っていると発言した。
「この夏に、FIA世界モータースポーツ評議会は、2026年のF1パワーユニットレギュレーションを承認した。このレギュレーションは、FIAが広範な研究開発を行い、既存のPUマニュファクチャラーや新規参入を検討するマニュファクチャラーと協議した結果、出来上がったものだ」とピン・スライエムFIA会長。
「FIAは、我々のモータースポーツの全ポートフォリオにおいて、イノベーションとサステナビリティの推進を続けている。2026年のF1 PUレギュレーションは、その目標の最も顕著な例である」
「8月のスパ・フランコルシャンにおいて、アウディは2026年からFIA F1世界選手権にパワーユニットマニュファクチャラーとして参戦することを発表した。この発表は、すべてのステークホルダーがこのレギュレーションの策定に懸命に取り組んできたことの裏付けである。我々はまた、ポルシェが現在も複数のF1チームと協議を続けていることにも注目している」
このコメントにより、ポルシェはどのチームと交渉しているのかについて、さまざまな憶測が飛び交うことになった。ウイリアムズ、マクラーレン、ハース、さらにはF1新規参戦を望んでいるアンドレッティの名前まで挙がったが、実際にはポルシェが組む相手の選択肢は非常に少ないと思われる。
ポルシェはパワーユニット・パーツの設計および開発に貢献する能力のあるパートナーを必要としている。だからこそ、レッドブル・パワートレインズを持つレッドブルが彼らにとって魅力的だったのだ。
その基準で考えると、ポルシェとしてはマクラーレンと組むことが最も望ましいのだろうが、マクラーレンが相手の場合、レッドブルで障害になった同じ問題が浮上する。どちらがチームの主導権を握るかという点だ。以前アウディがマクラーレンにアプローチした際にその点が主な理由で合意に至らず、アウディはターゲットをザウバーに変更した。その経緯を考えると、マクラーレンがポルシェと契約することはないだろう。
そう考えると、ポルシェにとって唯一の現実的な候補はウイリアムズということになりそうだ。ウイリアムズは技術サービス部門アドバンスト・エンジニアリング社を売却したが、チーム代表ヨースト・カピートのリーダーシップのもと、チームには今もパワーユニット・パーツのサプライヤーやデザイナーとのコネクションは残っている。
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