FIA、暫定事務局長の退任を発表。メルセデス代表の特別顧問務めた過去が一部F1チームから疑問視

 

 FIAは、モータースポーツ暫定事務局長を務めたシャイラ・アン・ラオの退任を発表した。
 ラオはFIAを去ったピーター・バイエルの後任として、6月から暫定事務局長を務めてきた。2016年から2018年にかけてFIAの法務ディレクターを務めた後、ラオはメルセデスの法務総括責任者に就任。2021年はメルセデスのトト・ウルフ代表の特別顧問を務めていた。
 そうした経歴が、FIAへの復帰に際して一部F1チームから懸念を呼んでいた。
 フェラーリのマッティア・ビノット代表は、ラオの経歴によって利害の衝突がないことを保証する必要があると語っている。
 また、ラオはここ数ヵ月の間、予算制限レギュレーションの裁定を監督する役目を担ってきたが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、チームが予算上限超過したという情報がFIAから漏れていたと語り、チーム顧問のヘルムート・マルコはドイツのTVに対して「奇妙だ」と示唆していた。
 結果としてレッドブルはFIAから700万ドル(約9億7700万円)の罰金と来年の空力テスト制限を言い渡されたが、噂が浮上した際にはメルセデスらライバルチームが厳罰を要求していた。
 FIAが11月23日(水)に発表した声明の中で、ラオの退任が確認された。
「シャイラ・アン・ラオは、モータースポーツ暫定事務局長としての移行期間中に、新会長チームをサポートするためにFIAへ戻っていた」
「シャイラ・アンはこの移行期間中も上手くマネジメントを行ない、FIA会長とこの組織に貴重なサポートを提供したが、この期間も終わりを迎える」
「そのため、シャイラ・アンはF1シーズン終了後にFIAを離れることとなる。FIAはこの期間のシャイラ・アンのサポートに感謝している」

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