FIA、F1新規参入チームの審査結果を8月に発表予定。既存チームの反対を承知も「公平に判断する」と会長

 

 FIAは、現在、F1への新規参入を希望するチームの審査を行っており、FIA会長モハメド・ビン・スライエムによると、審査結果を8月に発表することを目指しているということだ。

 FIAが今年2月に開始した募集手続きである“関心表明”に対し、アンドレッティ・キャデラックやハイテックGPを含む5チームが申請書を提出したものと考えられている。2025年、2026年、2027年のいずれかから活動するチームを募集するこのプロセスは、各候補チームのF1プロジェクトの実行可能性を評価することを目的としており、選考にはF1も関与している。

 ビン・スライエム会長は、ハンガリーGPの週末、『formula.hu』に対して新チームの審査について語るなかで、「来月には発表できることを願っている」と明かした。

FIAのモハメド・ビン・スライエム会長
FIAのモハメド・ビン・スライエム会長

「対象となっているのは、真剣な思いを持った人々だ。受け取った申請書の審査を徹底的に行わずに誰かを排除するようなことはしたくない」

「ビッグネームやビッグマネーの話だ。基本合意書は正しい判断だったと考えている。契約では、F1には12チームが参加することができると書かれているのだ」

「もちろんどんなチームでもいいわけではない。我々は“A”クラスのチームと自動車メーカーを求めている。私にとっては、メーカーの方が好ましい。その方がスポーツにとって有益だからだ」

「我々は時間をかけている。FIAチームは基本合意書に熱心に取り組んでいる。チームと会議を行って申し込みについて検討してきた。今後4週間から6週間で最終結果を出せると思う」

 今月初め、ビン・スライエム会長は、マイケル・アンドレッティのF1参入に賛成する発言を行った。アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズがキャデラックブランドとしてチームのパートナーを務めるという事実を重視しているからだ。

 FIAは、審査結果をF1と共有し、F1と協力して各エントリーのメリットについて議論している。しかしF1側は、グリッドを拡大するという原則そのものに、依然として抵抗を示している。新規参入チームはエントリーにあたって分配金資金の希薄化を防ぐための費用2億ドル(約288億円)を支払わなければならない。それでもチームの主な収益となる分配金は減るとして、大部分の既存チームが、11番目のチーム、あるいはそれ以上のチームをグリッドに迎えることに強く反対しているのだ。

 最近ではメルセデスF1のチーム代表トト・ウォルフが、グランプリ開催地の大多数において、11番目のチームを受け入れるための物流体制が整っていないと主張した。

FIA会長モハメド・ビン・スライエムとメルセデスF1チーム代表トト・ウォルフ

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、FIAはF1に新しいチームを受け入れるよう強制することはできないとしている。そんななかでFIAは審査プロセスを進めているわけであり、それがF1チームとの大きな衝突につながる可能性があるのではないかとも危惧されている。

 いずれにせよ、ビン・スライエム会長はFIAの立場を堅持することを決意しているようで、F1側の要望に適合させるための“操作”が行われることはないと警告した。

「これは明らかに政治的、財政的問題だ」とビン・スライエム会長は付け加えた。

2023年F1第12戦ハンガリーGP スタート
2023年F1第12戦ハンガリーGP スタート

「しかしFIAは契約を尊重しなければならないし、我々はEUからの規制を受けていることは明白だ。我々は何も操作することはできない」

「あるチームが関心を持ち、我々のルールに多くのチームを持つことができると書かれていたら、どうしてノーといえるだろう?」

「他のチームの懸念は理解している。特に財政面と分配金のことだ。しかし私は誰かを苦しめるためにここにいるのではない。スポーツのために正しいことをするためにここにいるのだ」

「我々は喜んで誰とでも話し合いをし、アドバイスを与える。しかしF1に参入したいという大規模チームに対して、既存チームを買わなければ参入できないとは言えない。それは間違ったことだと思う」

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