「悲惨だった」と途方に暮れるハミルトン。メルセデスは不安定なマシンの改善に悲観的/F1第21戦スプリント
2023年F1サンパウロGP(ブラジルGP)の土曜スプリントで、メルセデスのルイス・ハミルトンは、5番グリッドから7位でフィニッシュした。
スタート直後にセルジオ・ペレス(レッドブル)をかわして4番手に上がるが、4周目に抜き返されて、再び5番手に。レース後半、タイヤのデグラデーションのために大幅にラップタイムが落ち、21周目にシャルル・ルクレール(フェラーリ)と角田裕毅(アルファタウリ)を抑えきることができずに7番手にポジションを落とし、カルロス・サインツ(フェラーリ)に0.380秒差まで迫られたが、ぎりぎりで7位を守り切った。
チームメイトのジョージ・ラッセルは、一時2番手を走ったがハミルトンと同様にタイヤに苦しみ、4位でフィニッシュした。
スプリント後、トト・ウォルフ代表は、『Sky Sports F1』に対して、「打ちのめされるような一日だった」と述べ、この日の苦戦について次のように説明した。
「レース序盤に激しくプッシュしたことで、後半、苦しむことになった」
「マシンバランスが最適ではなく、リヤエンドがフロントと比べて強力ではない。極めて不安定な状態でマシンを走らせなければならない状態で、それを実行することはほぼ不可能だ」
「ドライバーふたりはペースを維持しようと努力していたが、今日はそれができるようなマシンを我々が与えていなかった。ドライバーが望まない形でマシンがひどくスライドし、それでタイヤがだめになってしまった」
「明日に向けて改善するために何ができるか、今夜検討する必要がある。簡単な解決策はないが、できる限りのことはするつもりだ」
トラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンは「(パルクフェルメ状態にあるため)マシンセットアップはこのままでいくしかなく、改善するために活用できるツールはほんのわずかしかない。従って、明日に向けてパフォーマンスを大きく改善することは不可能であることは分かっている」と認めた。
「ただ、マシンバランスを向上させるために少しはやれることがあるし、スティントにおけるタイヤの使い方について学ぶべきこともある。明日は少し気温が下がるかもしれず、そうなれば助けになる可能性があるが、タイヤの作動ウインドウが大幅に変化することはないだろう」
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
スプリント・シュートアウト=5番手(SQ1=3番手1分11秒870:ミディアムタイヤ/SQ2=6番手1分11秒476:ミディアムタイヤ/SQ3=5番手1分10秒940:ソフトタイヤ)
スプリント=7位(5番グリッド/タイヤ:ソフト)
楽しいレースではなかった。スタートはうまくいってセルジオ・ペレスを追い抜くことができたが、その後はバランスにかなり苦しむことになった。アンダーステアがひどく、続いてスナップオーバーステアが出たせいで、序盤からマシンと格闘することになった。終盤にはタイヤのグリップを失ってしまっていた。セットアップを間違ったとしか考えられない。
明日に向けて状況を変えるための方法を見つけなければならない。もし改善することができなければ、とても長い午後になるだろうね。もちろんできる限りハードに戦うつもりだし、今日よりももう少しうまくタイヤをマネジメントできるように努力する。
(『Sky Sports F1』に対して語り)悲惨だった。バランスに苦しみ、マシンと格闘し、最後にはタイヤがなくなった。明日の決勝に向けて、こういう状況をどうやって修正すればいいのか、全く分からない。
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