【動画】バトンが1975年のヘスケス308Bでデモラン。当時に思いを馳せながらV8サウンドを轟かせる

 

 2022年F1第15戦オランダGPの週末、約半世紀前にこのグランプリを制したヘスケスのグランプリマシンが、2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンの手によってザントフォールトに蘇った。

 イギリスの青年貴族アレクサンダー・ヘスケス卿とチームマネージャーのアンソニー・“バブルス”・ホースリーによって結成されたヘスケス・レーシングは、1973年から1978年までF1に参戦したイギリスのチームだ。1972年のチーム立ち上げからちょうど半世紀を迎える今年のオランダGPでは、1975年型マシン『ヘスケス308B』のデモランが行われた。

「ヘスケス卿とバブルス、ジェームス(ハント)は享楽的に見えるが、ことレースに関しては真剣だった」と語るのは、今回308Bのステアリングを握ったバトンだ。

 映画『ラッシュ/プライドと友情』でも描かれていたように、パドックでシャンパンを振る舞うなど英国貴族の豪奢な雰囲気をまとっていたヘスケスだが、彼らは単なる道楽チームというわけではなかった。

 特筆すべきは1975年のオランダGPで、ウエットからドライに変化するコンディションのなか、いち早くスリックタイヤを装着する決断をしたハントは、フェラーリのニキ・ラウダを抑えてトップでチェッカーを受ける。ハントにとってはF1初勝利であり、ヘスケスにとってはこれが唯一の優勝だった。

 この勝利と同じ舞台のザントフォールトで308Bをドライブしたバトンは、「このクルマがこのサーキットを、それももっとコースが狭いときに走っていたと思うと、やはり驚きだ」と語ると、同じイギリス人ドライバーのハントを「スーパーヒーロー」と表現。

「1970年代のドライバーたちはなんて勇敢だったんだろう」と当時に思いを馳せながら、フォード・コスワースDFVのV8サウンドを轟かせ、ザントフォールトのバンクを駆け抜けた。

Jenson Button drives James Hunt’s CLASSIC Hesketh car!

1975年オランダGPでヘスケス308Bを駆るジェームス・ハントと、それを追うフェラーリのニキ・ラウダ
1975年オランダGPでヘスケス308Bを駆るジェームス・ハントと、それを追うフェラーリのニキ・ラウダ
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