レッドブル&HRC密着:安全策を選択しミディアムスタート。フェルスタッペンはスタートで首位をキープし完勝
マックス・フェルスタッペンがF1第8戦スペインGPでポール・トゥ・ウインを飾った。
この日、フェルスタッペンに最も接近したドライバーはスタート直後のカルロス・サインツ(フェラーリ)だけだった。それは、スタート時に上位勢でフェルスタッペンだけがミディアムタイヤを装着し、サインツら、ほかのドライバーがソフトタイヤを履いていたからだった。
ピレリのシミュレーションでも、最速のピットストップ戦略はソフトでスタートした後、ハードとハードでつなぐ2ストップ作戦だった。
その理由をクリスチャン・ホーナー代表が次のように説明した。
「少し保守的だったが、ソフトタイヤはデグラデーション(性能劣化)が大きく、もしソフトでスタートすると3ストップも視野に入れなければならず、そうなると優勝争いが混沌となるため、安全策をとった」
確かに2022年のスペインGPは全車ソフトタイヤでスタートし、レッドブルを含むほとんどのドライバーが3回ストップを強いられた。もし、フェルスタッペンがソフトタイヤでスタートし、ライバル勢がミディアムタイヤを選択した場合、ピットストップ作戦で逆転される可能性をレッドブルは嫌ったのだ。
もちろん、こちらがミディアムタイヤを選択し、相手がソフトタイヤでスタートした場合に、スタートでの蹴り出しも心配していた。しかし、金曜日から全セッションでトップタイムをマークし続けていたフェルスタッペンならば、コース上でオーバーテイクできると踏んでいた。
「我々のマシンであれば、DRSの威力でオーバーテイクすることは難しくないだろうし、今年はシケインがなくなったことでさらにオーバーテイクがしやすくなった」(ホーナー)
しかし、ホーナーの心配は杞憂に終わる。ミディアムタイヤでスタートしたにも関わらず、フェルスタッペンはスタート直後の1コーナーでトップを死守したことで、この日のフェルスタッペンにコース上で敵はいなくなった。唯一の敵は速すぎるレッドブルのマシンRB19をいかに手懐けるかだけだった。というのも、レース中にフェルスタッペンはトラックリミットの警告を3回受けていたからだ。
そんななか、フェルスタッペンはレース終盤にファステストラップを狙いに行く。
「最後の警告を受けていたことはわかっていたけれど、それほど問題ではなかった」というフェルスタッペンは、61周目に1分16秒330のファステストラップを叩き出した。2位のルイス・ハミルトン(メルセデス)とチームメートのセルジオ・ペレスよりもコンマ3秒以上速い、異次元の走りだった。
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