レッドブル&HRC密着:DRSの不具合で最終アタックを断念。ポールを逃すも、レースではタイヤ管理を重視し逆転を狙う
F1第6戦スペインGPの予選Q3終盤、国際映像のモニターには最後のアタックを行うシャルル・ルクレール(フェラーリ)の走りが映し出されていた。Q3の1回目のアタックを終えた段階で暫定ポールポジションを獲得していたのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。ライバルのルクレールはシケインでスピンし、タイムを計測していなかった。
最後のアタックはルクレールがフェルスタッペンよりも先に開始。フェルスタッペンの暫定PPタイムを更新する勢いでセクター2を通過し、シケインを立ち上がって最終コーナーへ向かおうとしていた。しかし、次の瞬間、モニターからフェルスタッペンの無線が流れてきた。
「ノーパワー」
最終コーナーを立ち上がったルクレールはフェルスタッペンのタイムを上回り、ポールポジションに立つ。
一方、アタックラップに入るメインストレートでパワーを失ったフェルスタッペンは、1、2コーナーを立ち上がった後、タイムアタックをやめてピットへ向かった。その瞬間、ルクレールが逆転で2022年のスペインGPのポールシッターとなった。
予選後、フェルスタッペンはパワーを失った理由を次のように語った。
「ストレートでDRSが開かずに、コンマ3、4秒のタイムロスがあったので、バックオフしてアタックラップを中止したんだ」
それでも、Q3の1回目アタックでフェルスタッペンが叩き出した1分19秒073というタイムを、ルクレールの直後で2回目のアタックを行っていたカルロス・サインツ(フェラーリ)は上回ることができず、フェルスタッペンはフロントロウをキープ。日曜日のレースは2番グリッドからスタートする。
スペインGPの舞台であるカタロニア・サーキットは、オーバーテイクが難しいという点では予選ポジションが重要となる。そういう意味では、ポールポジションを逃したフェルスタッペンにとっては、最後のアタックでDRSの不具合が発生したことは痛かった。
一方で、カタロニア・サーキットはタイヤに厳しいことで有名で、ポールシッターでもレースで優勝できなかったレースも少なくない。最近の10年間のポールポジションの成績でも、2019年バルテリ・ボッタスが2位、2016年ルイス・ハミルトンはリタイア、2013年ニコ・ロズベルグは6位と3度優勝を逃している。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は言う。
「この高温下では、タイヤのデグラデーションとマネージメントが重要になる。したがって、明日はとても緊密で魅力的なレースになると思う」
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