シルバーストンでは苦戦を覚悟も「フリー走行を順調にこなせば、それが役に立つはず」と角田裕毅/F1第10戦プレビュー
アルファタウリの角田裕毅は、今週末のF1第10戦イギリスGPに向けて、厳しいレースを覚悟しつつも、以前より容易にオーバーテイクをできる可能性があると期待を示した。
前戦カナダGPでは、パワーユニット(PU)の新しいコンポーネントを投入し、グリッド降格ペナルティ受けて最後尾からのスタートを強いられた角田。決勝レースでは順調にポジションを上げていったが、47周目に2度目のピットストップを行いコースに戻った直後にクラッシュを喫してリタイアに終わった。
そのカナダGPについて角田は、自身のパフォーマンスには満足しており、クラッシュまでは順調だったと振り返った。
「前回のラウンドについてですが、初めてのカナダ訪問を楽しめましたし、カナダやモントリオールの街の風景を好きになりました。それでもコース上では、またしてもかなり困難な週末になりました。ペースはあり、自分のパフォーマンスにはとても満足できました。その前のアゼルバイジャンGPよりも良いと感じていましたが、エンジンペナルティを受けなければならなかったのです。そのため難しいレースになることは最初から分かっていましたが、不運にもバリアに衝突するまでは順調だったんです」
「とても残念でしたが、こういうことはあることですし、ひとつの学びの経験だと考えなければいけません。それに、走行経験がなかったモントリオールのコースのことを、今では理解できています」
カナダGPを終えた角田は、サンマリノでレッドブルのイベントに立ち会い、その後はシミュレーター作業に専念したという。今週末の舞台となるシルバーストン、そして次戦オーストリアGPが開かれるレッドブルリンクを走りこんだ。どちらもF1昇格前の時点で走行経験のあるサーキットだが、角田はF2時代にシルバーストンで優勝を挙げている。
「この1週間はかなり忙しかったです。まずファエンツァで体力トレーニングに集中しましたが、あの忙しいスケジュールのなかでは本当に重要なことでした。その後日曜日には『Red Bull SoapBox』レースのためにサンマリノに向かいました。そのレースは、これまで目にしたことがないようなものでした。本当に楽しくて、あらゆる参加者のジャッジをするのはとても面白かったです。僕のヘルメットに似せたSoapBoxのデザインのチームさえありました!」
「優勝トロフィーを渡した後、僕はシミュレーター作業のためにイギリスに向かいました。そこでシルバーストンとレッドブルリンクに集中しました。シルバーストンはよく知っています。初めてあそこでレースをしたのは2019年のFIA F3で、1レースでポイントを獲得しました。2020年にはFIA F2で2大会4レースを戦い、1戦目のフィーチャーレースで3位、2戦目のスプリントレースでは優勝しました」
「そして昨年は10位に入賞してポイントを獲得しました。大勢の観客がいて最高の雰囲気だったのを覚えています。このコースは僕が力を発揮できる場所だと感じています」
そんなシルバーストンでのグランプリに向け、角田は厳しいレースを覚悟しつつもポイント獲得を狙うと語った。
「この高速で昔ながらのコースを、新型のマシンで走るのを楽しみにしています。スピードの点では、新しいマシンは昨年と比べて少し遅くなりますが、過去に見られたのと同じくらいのラップタイムを出せると思います。アゼルバイジャンで見たことをふまえれば、今年シルバーストンでオーバーテイクするのは、以前より少し簡単かもしれません」
「僕たちの目標はいつもどおり、土曜日にQ3進出を果たし、ポイントを獲得することです。現在のパッケージでは厳しいレースになるだろうとは思いますが、フリー走行を順調に走ることができれば、それが役に立つはずです」
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