【角田裕毅F1第19戦密着】FP3でもマシンと格闘。Q3にはわずかに届かずも「いまのクルマの能力はすべて出し切れた」
F1第19戦アメリカGPの初日のフリー走行を終えて、指定された時刻にアルファタウリのガレージ裏へ行くと、ピエール・ガスリーが予定よりも早くテレビ取材を開始していた。
この日のフリー走行2回目はピレリの2023年用タイヤのテストが行われるため、通常より30分長い90分間で実施された。しかし、各ドライバーに与えられた2セットの2023年用タイヤは、1セットにつき13周しか走行が許されていないため、26周を走行したドライバーはその時点でセッションが終了となる。
しかも、走行メニューはピレリによって定められており、各セット最初の5周はロウ・フューエル、つまり予選用アタックを行うことになっていて、ピットインした後、燃料を満タンにしたハイ・フューエルでロングランすることになっていた。
チーム側は安全に走ることができない場合を除いて、セッション中にセットアップを変更することは許されていない。60分間で行われたフリー走行1回目で、23周した角田裕毅が、2023年用タイヤで26周するのに90分間は必要なく、テレビクルーが集まった時点でガスリーの取材が開始されていたというわけだ。
角田は、そのそばで「早くメディアが来ないかなあ」という感じで、我々の到着を待っていた。
「プログラムどおりに走って、それがひと通り終われば、それ以上走ることができないので、早めに終わらせたという感じです」とフリー走行2回目を振り返った角田。したがって、フリー走行2回目の順位である12番手は特に気にしていない。
「金曜日に抱えていた課題を改善し、フリー走行3回目でまとめ切って、予選に臨みたいと思います」と語っていた角田だったが、土曜日のフリー走行3回目でも角田はマシンと格闘していた。このセッションを16番手で終えて迎えた予選Q1。角田は最後のアタックで自己ベストを更新して、13番手でQ2へ進出した。
Q2の最後のアタックでは自己ベストをさらにコンマ4秒刻んだものの、トラックリミット違反となり、タイムが抹消。15番手に終わった。
「いまのこのクルマのポテンシャルはすべて出し切れたと思いますが、ただただ(Q3へ進出できる)ペースがなかったという感じです」(角田)
Q2で10番手だったランド・ノリス(マクラーレ)との差は約コンマ1秒差。しかし、アメリカGPでのアルファタウリのマシン『AT03』には、そのコンマ1秒は数字以上に大きな溝だったようだ。
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