【F1第11戦無線レビュー】表彰台を逃すも大躍進の新人ピアストリ「4位はちょっと残念。でもすごい仕事だった」
2023年F1第11戦イギリスGP。土曜日の予選から速さを見せていたマクラーレンが、決勝でもその実力を発揮した。レース結果だけ見ればレッドブルとマックス・フェルスタッペンの優勝ではあるが、ランド・ノリスはスタートで首位を奪取し、見事表彰台を獲得。オスカー・ピアストリも自己最高位の4位に入賞と、マクラーレンは母国で好成績を残した。イギリスGPを無線とともに振り返る。
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終わってみれば今回も、レッドブルとマックス・フェルスタッペンが圧倒的な強さでレースを制した。しかしこれまでと大きく違ったのは、マクラーレンがメルセデスやフェラーリ、アストンマーティンを凌ぐ速さを発揮し、2位表彰台と4位を獲得したことだった。
ランド・ノリス(マクラーレン)の蹴り出しが素晴らしく、ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を置き去りにして行った。
1周目
ノリス:雨粒が落ちてる
ジョゼフ:ターン17辺りで、もう少し降ってきそうだ
それでもノリスのペースは落ちず、2周目にはフェルスタッペンに1秒差をつけた。
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)も3番手を快走。シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、そのペースについていけない。ルクレールの背後に迫るジョージ・ラッセル(メルセデス)は明らかにペースは優っているが、ルクレールが必死にブロック。そのやり方に、苛立ちを隠さない。
3周目
ラッセル:あれがブレーキング中の動きじゃないんだったら、いったい何なんだ!
15番手スタートのセルジオ・ペレス(レッドブル)がニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を抜きにかかり、接触してしまう。
5周目
ヒュルケンベルグ:フロントウィングの一部を失ったようだ。何かが後ろに飛んでった
ギャリー・ギャノン:ああ。かなり大きなロスだよ
12番手を走るエステバン・オコン(アルピーヌ)が、トラブルに見舞われた。
9周目
ジョシュ・ペケット(→オコン):ボックスだ。リタイアしないといけない。申し訳ない
ピアストリは背後のルクレールに4秒前後の差をつけ、順調に周回を重ねる。
15周目
トム・スタラード:タイヤはどうだ?
ピアストリ:ハッピーだ。フロントもリヤも
ラッセルとルイス・ハミルトン(メルセデス)に挟まれた形の5番手カルロス・サインツ(フェラーリ)は、手詰まりの状態だ。
17周目
リカルド・アダミ:プランBで行くぞ
サインツ:Bって、何だっけ、リッチー? 思い出せないんだけど。
アダミ:心配するな、教えるから
この局面を打開しようと、ミディアム→ハード→ソフトの2ストップ作戦を提案したのだろう。しかし結果的に、ルクレールがピットに18周目に入って2ストップを採用。サインツは26周目まで引っ張って、1ストップ作戦となった。
21周目
フェルスタッペン:フェラーリがピットインしたけど、僕らはこの戦略のままで行く?
ジャンピエロ・ランビアーゼ:その通りだ。今のところ、変更はない
27周目
ノリス:ライバルたちのハードタイヤの状態を教えてよ
ジョゼフ:ハードはあまりよくないみたいだけど、僕らにとってはベストオプションだ
32周目、ケビン・マグヌッセン(ハース)がコース上に止まり、バーチャルセーフティカー(VSC)、さらにセーフティカー(SC)が導入された。
34周目
サインツ:今ピットインしたら、いくつ順位を落とすんだ。早く、早く教えてくれ
アダミ:え〜と、3つかな
サインツ:誰に対して3つで、タイヤは何?
アダミ:チェコとシャルル。ソフトで16周走ってる
サインツ:(ピットインの)コールを待ってるよ
アダミ:しばらくステイアウトだ
36周目
ノリス:後ろは誰で、タイヤは?
ジョゼフ:ルイスがピットインして、中古ソフトに履き替えた。中古ソフトだ。フェルスタッペンと同じタイヤだ
ノリス:そりゃ、素晴らしいや
ハミルトンがソフトを履いたのなら、ハードの僕に勝ち目はない、すぐにオーバーテイクされるというガッカリ感が、言葉ににじみ出ていた。しかしノリスは果敢に2番手を守り切った。
そしてラッセルも、4番手ピアストリに追いつけない。
41周目
ラッセル:マクラーレンは、ハードであんなに速いんだ。とんでもない速さなんだけど
フェルスタッペンが今季8勝目を獲得。2位にノリス、3位ハミルトン、そしてピアストリは自己ベストの4位入賞を果たした。
クリスチャン・ホーナー代表:よくやった。ここでの勝利は、2012年以来だ。そしてマクラーレンの11連勝に並んだぞ
フェルスタッペン:みんな、素晴らしい仕事だった。11連勝なんて、ありえないよね
ジョゼフ:P2だ! 素晴らしい!
ノリス:自国レースで表彰台なんて! 最高だ!!
ピーター・ボニントン:P3だ、ルイス。偉大な結果だ
ハミルトン:ありがとう、ボノ。でもマクラーレンは、ロケットだったよ。高速域の速さが、ハンパない
トト・ウォルフ代表:素晴らしいリカバリーだった。昨日から、よく持ち直してくれた
7番グリッドから3位表彰台を獲得したハミルトンに、最大限の賛辞を送るトト・ウォルフ代表。しかしハミルトン自身は、マクラーレンの速さを心底脅威に感じているようだった。
セーフティカーのタイミング次第では、3位はハミルトンではなく、ピアストリだった可能性は十分にあった。
スタラード:P4だ、オスカー。素晴らしい結果だけど、君の走り自体は、表彰台に十分値した
ピアストリ:4位はちょっと残念だ。でもすごい仕事だったよ。最高のアップデートだ
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