高温多湿な環境で行われたF1カタールGPを受けて、FIAは今後に向け対策を講じると発表。すでに状況分析を開始
FIAは、F1第18戦カタールGPでドライバーたちが経験した極度の身体的負担の再発を防ぐため、対応措置を講じることを発表した。
灼熱の気温とひどい湿気のなか、義務づけられた短いスティントを全開ペースで走行するレースは、ドライバーたちに大きな負担を与えた。数人のドライバーは、レース後に脱水症状と疲労から回復するのに医療援助を必要とした。またウイリアムズのルーキーであるローガン・サージェントは体調不良を起こし、チェッカーフラッグを受けることができなかった。
2024年のカタールGPは11月後半に開催されるので、コンディションはよりしのぎやすくなるはずだが、FIAはこの問題について積極的なアプローチをとっている。月曜日夜に発表された声明では、次のように述べている。
「FIAは、2023年FIA F1カタールGP中の極度に高い気温と湿気がドライバーの健康に影響を与えたことに懸念を抱いている」
「彼らは一流のアスリートであるが、健康や安全を危険にさらす可能性のあるコンディション下で競技を行うことを期待されるべきではない」
「マシンの安全な操作は常に競技者に責任があるが、サーキットのインフラやマシンの安全要件などの安全に関わる事項と同様に、FIAは競技を行うにあたって許容可能な範囲を定めて伝達するためにあらゆる合理的措置を講じていく」
FIAは「将来における過酷な気象状況に対する提案事項」を準備するために、カタールの状況の分析を開始したと述べている。
「来年のカタールGPは1年の遅い時期に予定されており、気温が下がると予想されていることに留意するべきだが、FIAははこのシナリオの再発を避けるために今から実質的な行動を起こすことを望んでいる」と声明で説明されている。
「今後パリで開催される医療委員会会議では、多くの対策が議論される予定だ。対策には、各チームへのガイダンス、コクピット内の空気の流れをより効率的にするための改良に関する研究、許容可能な気候条件に合わせたスケジュール変更の推奨などが含まれる可能性がある」
FIAはまた、F1に適用できる教訓を特定するために、酷暑の管理に慣れている砂漠でのラリーにおける知見を調査すると述べた。
「過酷な気候で行われるクロスカントリーなどの他のシリーズの研究について、サーキットイベントへの適用の可能性が検討されるだろう」
「FIA会長のリーダーシップの下、技術、安全、医療部門が緊密に協力してこのプロセスは進められる」
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