【F1】【アメリカGP】角田にガスリーの争うな指示が出たことを回りの状況から考えてみた
結果論ではなく、その場の状況をメインに考えてみた。
まず、指示が出たのは2回目のSC時だ。
アルファタウリと争っているのは、ガスリーの前にベッテル。その前は、争いにならない5台。後ろには、ノリスとマグヌッセンが迫ってきている。
タイヤは、ガスリーがハードタイヤ、角田はミディアムタイヤだ。履歴は、ガスリーのほうが使い込んでいるが、タイヤライフには余裕がある。この時点では、ベッテル。ガスリー。角田。ノリス。マグヌッセン。は、戦略は2ストップだと考えられていた。ガスリーのハードのペースは、ミディアムをはいたベッテルから0.5/周ほど遅かった。角田は、ガスリーに蓋をされた状況になっていたために、ミディアムのおいしい所を生かすことができなかった。ベッテルと抜けていたかは不明だが、ベッテルと同等のペースで走ることができたと考えられる。
後ろのノリスは、角田を突く恰好になっているが、ガスリーから始まるDRSトレイン状況で、角田を抜くことができない。
この時に、角田とガスリーが気にしなければならなかったのが、タイヤ交換を行ったアルボンだ。
この状況で、アルファタウリは角田にガスリーと争うなという指示が出る。自分のほうが早いと思っている角田は、反発する
この指示は、その瞬間は正しかった。直接のライバルであるマグヌッセンを従える形になっている状況で、7位と8位を走っている。ガスリーがペースを上げて、ベッテルについていければ最高の作戦だ。ノリスがクッションになり、DRSトレイン状態でノリスも角田を抜けない。角田は、抜く技術ばかりがクローズアップされるが、抜かせない技術も高いと思える。ブレーキを少しだけ遅らせてコーナーに入ることもあれば、ブレーキを少しだけ早めて、後ろから来るドライバーを惑わせたりしている。自分がやられて嫌だったことを吸収しているように思える。特に、秀逸なのはブロックラインでなくレコードラインにとどまり続けて、ブレーキだけで相手を惑わすところだ。
7位と8位で走りきれればよかったのだが、ガスリーのペースが思うように上がらない。後ろとのギャップもなくなってきてしまう。
ベッテルとの差が絶望的な7秒になってから、アルファタウリは角田にガスリーを抜いていいというのだが、この時にはミディアムのおいしい所は使い切っている状況だ。そのうえ、ハードの調子が戻ったのか、ガスリーが少しだけペースアップ。
アルファタウリとして、最初の指示である”争うな”は理解ができる。ポイントを最大に持ち帰ろうとしたら、抜かせないのがうまい角田を、ガスリーの後ろに置いて、ガスリーを脱がす作戦だったのかもしれない。ガスリーが逃げられなくても、角田がDRS内にとどまれば、DRSトレインが形成される。マクラーレンは、ストレートスピードが遅く、アルファタウリを抜くのは難しい。低速セクションで詰めて、メインストレートでインに飛び込む方法しかない。アルファタウリとしては、DRSトレインになれば抜かれないと考えた可能性が高い。
状況が変わるまで、ガスリーを前に置いておくのは当然の作戦だと思える。
しかし、ガスリーがベッテルから離されて、且つ後ろとの差もなくなってしまった状況で前にとどめたのは、意味が解らない。ポイントの最大化を目的とするのならば、角田を先行させて、できるだけスペースを作らせた方がよかった。
ガスリーとチームのやり取りが解らないが、どんな作戦があったのだろう?いくら想像しても、ガスリーの前に角田を出さない理由が見つからない。
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